「SaaSを作りたいが、外部委託だといくらかかるのか」——事業アイデアはあっても、費用感が読めず動けない方は多いです。結論から言うと、SaaS開発の費用は初期の開発費だけでなく、リリース後に継続してかかる運用・保守費まで含めて見る必要があります。この記事では費用の構造を分解し、自社開発と外部委託の判断軸、発注時の注意点まで解説します。
※費用は各社が公開する相場情報をもとにした一般的な目安です。要件により大きく変動します。
補足: 上記はあくまで各社が公開する相場情報をもとにした一般的な目安です。実際の費用は要件によって大きく変わるため、具体的な見積もりは会社ごとに確認してください。
結論:SaaS開発費は「初期」と「継続」の2階建て
SaaSは作って終わりではなく、動かし続けるサービスです。そのため費用は初期開発費と継続費用の2階建てで考えます。
初期だけを見て安い会社を選ぶと、リリース後の運用費で総額が膨らむことがあります。判断の起点は「作る費用」ではなく「3年運用したときの総額」に置くのが失敗しないコツです。
SaaS開発の費用構造(早見表)
まず費用がどこに発生するかを早見表で示します。
| 費用の種類 | 主な内容 | 発生タイミング | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 初期開発費 | 要件定義・設計・開発・テスト | リリース前 | 最小構成 約50〜150万円/基本 約150〜350万円/複雑 約350〜650万円(非常に複雑なものは数千万円規模)。中〜大規模では約1,000〜3,000万円 |
| インフラ・月額 | サーバー・DB・外部API利用料 | 運用中ずっと | 利用規模により変動(要件で試算) |
| 保守・運用費 | 障害対応・改修・OS/ライブラリ更新 | 運用中ずっと | 初期開発費の年15〜25%程度(別の目安では月5〜15%とする例もあり、幅がある) |
| 追加開発費 | 機能追加・スケール対応 | 成長フェーズ | 都度見積 |
※ 開発手法でも費用は変わり、一般的な相場ではフルスクラッチで約700〜1,500万円(期間2〜10ヶ月)、ノーコード活用で約250〜600万円(期間1〜7ヶ月)とされます。
※ SaaSは利用者が増えるほどインフラ費が増える構造です。この点が受注業務システムとの大きな違いになります。
なぜ金額差が生まれるのか(内訳の構造)
SaaS開発費の大半は人件費(人月単価 × 工数)です。加えて、SaaS特有のコストが乗ります。
- マルチテナント設計: 複数の顧客企業のデータを安全に分離する設計が必要で、単発の業務システムより設計工数が増える
- 課金・認証まわり: サブスク課金やアカウント権限管理は要件が複雑になりやすい
- スケール対応: 利用者増を見越した設計を初期に入れるかで、後の追加費用が変わる
人月単価は会社の体制やエンジニアのスキル帯によって変わります。SaaSはこの人月単価に、上記のマルチテナント設計や課金・認証まわりの追加工数が乗るため、同規模の単発システムより費用が上振れしやすい点に注意が必要です。
Gonmuraの場合: 費用も工数も要件によって変わるため、具体的な金額は要件を伺ったうえでの見積もりで確認いただく形になります。まずは作りたいSaaSの中核機能をお聞かせください。
自社開発 vs 外部委託|どちらを選ぶか
社内にエンジニアがいる場合、外部委託と自社開発で迷うことがあります。判断軸を整理します。
外部委託が向くケース
- 社内にSaaS開発の経験者がいない
- スピード優先で立ち上げたい
- コア事業に社内リソースを集中させたい
自社開発が向くケース
- 継続的に大量の機能改修が発生する見込み
- プロダクトが事業の中核で、ノウハウを内製化したい
- 十分なエンジニア採用ができている
現実には「初期は外部委託し、成長後に内製へ移す」ハイブリッドも多く選ばれます。最初から二択で固定せず、移行を見据えた設計を委託先に依頼できるかも判断材料になります。
レベニューシェアで開発できるか
初期費用を抑えたいスタートアップからは、レベニューシェア(成果連動での開発)の相談も増えています。仕組みと注意点は別記事「レベニューシェア開発とは?発注側・受注側それぞれのメリット・デメリットを解説」で詳しく扱います。
補足: レベニューシェアで受けられるかは会社の方針や案件の条件(規模・フェーズ・持分の考え方)によって異なります。ご希望がある場合は、条件を含めて個別にご相談ください。
失敗しない発注のコツ
SaaS開発の発注では、次を必ず確認してください。
- 見積もりに運用・保守費が含まれているか(初期だけの安さに注意)
- 利用者増加時のインフラ費・スケール対応の考え方が示されているか
- 仕様変更・追加開発の費用ルールが明記されているか
- リリース後の改善に継続して伴走できる体制か

